USCPAの学習では、選択問題(MCQ)を大量に解く場面が多くなります。ただ、問題をたくさん解いているのに、正答率が思うように伸びない、という悩みもよく聞かれます。原因の多くは、問題を「解いた数」ではなく、「どう解いて、どう確認したか」にあります。

この記事では、MCQをただ解いて終わりにしないための、解く前・解いている間・解いた後の進め方を整理します。

<この記事の対象者>
・MCQを解いているのに、正答率が伸びにくい方
・答え合わせが「丸つけ」で終わってしまう方
・勘で選んだ問題の扱いに迷っている方

結論:「選択肢を見る前に考える」と「全選択肢の理由を確認する」

MCQ演習で意識したいのは2点です。選択肢を見る前に自分の答えを考えること、そして解いた後に正解だけでなくすべての選択肢の理由を確認することです。この2つを入れるだけで、同じ問題数でも学習の中身が変わります。

解く前:何を練習するかを決める

なんとなく問題集を先頭から解くのではなく、「今日はこの単元」と範囲を決めてから解き始めます。範囲が決まっていると、間違えたときに「どの論点が弱いのか」が分かりやすくなります。

なお、USCPAの試験には選択問題のほかに、記述や計算を伴う形式(TBS)もあります。MCQの演習だけで対策が完結するわけではない点は、頭に入れておきましょう。

解いている間:答えを先に考え、自信度をつける

1. 選択肢を読む前に、自分の答えを考える

問題文を読んだら、選択肢を見る前に「答えはおそらくこうなる」と頭の中で考えます。そのうえで選択肢を見て、自分の答えに近いものを選びます。選択肢から「それっぽいもの」を探す方法だと、思い出す練習になりにくいためです。

2. 選んだ理由を一言で言えるようにする

「なんとなく」ではなく、「この条件があるので、これを選ぶ」と一言で説明できる状態を目指します。説明できない場合は、その問題は偶然の正解かもしれません。

3. 自信度をメモする

選んだ答えに、「自信あり」「迷った」「勘」のような自信度をつけておきます。あとで復習の優先度を決める材料になります。

解いた後:全選択肢の理由を確認する

答え合わせでは、正解かどうかだけでなく、次の点を確認します。

  • 正解の選択肢が正しい理由
  • 自分が選んだ(間違った)選択肢が、なぜ誤りなのか
  • ほかの選択肢が、どの条件のときに正しくなるのか

正解した問題でも、勘で選んだものは同じ確認をします。この作業が、次に似た問題が出たときに判断できる力につながります。間違えた問題をあとから定着させる方法は、別の観点で整理する必要があるため、この記事では触れません。

研究から分かること

Rowlandの2014年のメタ分析では、テストを受けることによる学習効果(テスト効果)が広く確認されるとともに、自由に思い出す形式のテストのほうが、選択肢から選ぶ形式よりも効果が大きい傾向があると整理されています。MCQでは、先に自分の答えを考えてから選択肢を見る工夫が、この考え方に沿っています。

また、Butlerらの2008年の研究では、選択問題は誤った選択肢に触れることで誤情報を覚えてしまう面がある一方、答え合わせで正解のフィードバックを受けると、その悪影響が減ることが報告されています。全選択肢の理由を確認する作業には、この点で意味があります。Dunlosky らのレビュー(2013年)でも、練習テストは有用性の高い方法とされています。

ただし、これらの研究は主に大学生などを対象にしたもので、USCPA受験生に限ったものではありません。考え方の参考として受け止めてください。

やりがちな落とし穴

  • 正答率だけを見る:数字は上がっても、偶然の正解が混ざっていることがあります
  • 解説を読まずに次へ進む:間違った理由が分からないまま、同じ間違いを繰り返しやすくなります
  • 選択肢を先に見て「ありそうなもの」を探す:問題を解いた気になりやすく、思い出す練習になりにくくなります

問題集の選び方については、USCPAの洋書・問題集はどれがいい?Wiley、Becker、Gleim、Roger?も参考にしてください。

よくある質問

Q. 選択肢を見る前に答えを考えると、時間がかかりませんか?

A. 慣れるまでは時間がかかりますが、「大まかな方向性を頭に浮かべる」程度で十分です。完全な答えを書く必要はありません。時間を計って解く演習では、状況に応じて調整してください。

Q. 勘で当たった問題は、正解として扱ってよいですか?

A. 点数としては正解でも、学習上は「理由を確認する対象」として扱うのがおすすめです。自信度のメモが、その判断に役立ちます。

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参考にした情報

まとめ:MCQは「解き方」と「確認の仕方」で差がつきます

MCQ演習では、選択肢を見る前に自分の答えを考え、解いた後は全選択肢の理由まで確認するのが基本です。正解した問題でも、勘や偶然の正解は確認の対象にします。次の演習から、まず「選択肢を見る前に考える」ことだけ試してみてください。