USCPAの勉強効率を上げる方法|「勉強以外の時間」を減らす
USCPAの勉強を続けていると、「勉強時間は確保しているのに、思ったほど進まない」と感じる場面があります。1日の学習時間を増やせないときは、勉強法そのものを変える前に、勉強の「外側」で失われている時間を見直すのが近道です。
この記事では、机に向かってから実際に問題を解き始めるまで、あるいは解いている途中で流れが止まる時間を「学習のfriction(摩擦)」と呼び、それを減らす考え方と具体策を整理します。
<この記事の対象者>
・勉強時間は取れているのに進んでいる実感が薄い方
・教材選びや復習の段取りで、つい迷ってしまう方
・学習の質を上げる前に、まず無駄な時間を減らしたい方
結論:先に減らすべきは「勉強以外の時間」です
勉強効率というと、暗記法や教材の選び方に目が向きがちです。しかし同じ学習時間でも、迷う・探す・切り替えるといった「勉強以外の時間」が減るほど、実際に頭を使える時間が増えます。これは新しい教材を買わなくても、今日から手を入れられる部分です。
勉強以外の時間はどこで生まれるか
USCPAの学習でありがちなfrictionを、場面ごとに整理すると次のようになります。
| 場面 | 起きやすいこと | 減らす方向性 |
|---|---|---|
| 学習の開始時 | 「今日は何をやるか」を決めるのに時間がかかる | 前日のうちに翌日の内容を1つ決めておく |
| 教材の切り替え | テキスト、問題集、メモ、辞書を行き来して集中が途切れる | 使う教材と置き場所を固定する |
| 調べ物 | 知らない用語を調べているうちに、元の問題に戻れなくなる | 調べる基準を先に決める |
| 中断 | 通知や連絡で手が止まり、再開までに時間がかかる | 学習中は通知を切る時間帯を作る |
| 復習の準備 | 間違えた問題を探し直す時間がかかる | 解いたその場で復習対象に印をつける |
どれも1回あたりは短い時間です。ただ、毎日の学習で繰り返されるため、積み重なると学習の流れを大きく削ります。
frictionを減らす5つの方法
1. 「次にやること」を前日に1つだけ決める
机に座ってから内容を考えると、それだけで意欲が下がります。終わりの1分で、翌日の最初のタスク(例:「あるユニットの問題を1セット解く」)だけ決めておくと、開始までの迷いが減ります。
2. 教材を1か所に集める
使う教材が複数の場所やデバイスに散らばっていると、探す作業が発生します。日常的に使う教材は、いつも同じ場所・同じ画面から開けるようにしておきます。
3. 調べるかどうかの基準を決めておく
知らない単語や論点を見つけるたびに調べると、問題演習の流れが切れます。「解答に直結する語だけ調べる」「それ以外は印だけつけて後でまとめて確認する」のように、基準を先に決めておきます。
4. 学習中の通知を切る
通知による中断は、手が止まる時間だけでなく、再開する負担も生みます。学習する時間帯だけでも、通知が届かない設定にしておくと、途中で止まる回数を減らせます。
5. 復習対象は解いた瞬間に印をつける
間違えた問題を後から探すと、その分の時間が余計にかかります。間違えた、あるいは自信がなかった問題には、その場で印をつけ、あとから見返す対象が自然に集まるようにします。
研究から分かること・分からないこと
中断については、作業の中断がもたらす影響を調べた研究があります。Markらの2008年の研究では、中断された作業を人は短い時間で終わらせようとする一方で、ストレスや焦りが増えることが報告されています。学習中の中断が、集中の質に影響しうることを考えるヒントになります。
また、学習方法そのものについては、Dunlosky らのレビュー(2013年)が、練習テスト(問題を解いて思い出す練習)と間隔をあけた学習の有用性が高い一方で、ただ読み直す方法などは効果が限られると整理しています。Bjorkらのレビュー(2013年)は、学習者が「読んで分かった感じ」などの感覚に左右され、自分の学習の進み具合を正確に判断しにくいことも示しています。
ただし、これらの研究は主に学生や一般の作業者を対象にしたもので、USCPA受験生に限った結果ではありません。ここでの提案は、研究から考え方のヒントを借りたものであり、特定の時間短縮を保証するものではない点に注意してください。
まず1週間で試す手順
- 今の学習で「手が止まる場面」を、3日間メモする
- 止まった場面のうち、最も多いものを1つ選ぶ
- 上の5つの方法から、その場面に合うものを1つだけ試す
- 1週間後に、止まる回数が減ったかを確認する
一度に全部を変えるより、原因を1つ選んで変えるほうが、効果があったかどうかを判断しやすくなります。
学習方法そのものの進め方は、米国公認会計士って独学でなれるの?【USCPA】も参考にしてください。
よくある質問
Q. 勉強効率は、どこから見直すのがよいですか?
A. まずは、学習中に手が止まる場面を数日メモして、最も頻度の高いものから対処するのがおすすめです。原因が分かれば、対策も絞れます。
Q. 通知を切るだけで、効率は上がりますか?
A. 効果には個人差があります。通知は中断の要因の1つにすぎないため、教材の切り替えや調べ物の基準など、他の場面もあわせて確認すると効果を判断しやすくなります。
参考にした情報
- Mark, G., Gudith, D., & Klocke, U. (2008). The cost of interrupted work: more speed and stress. CHI 2008.
- Dunlosky, J. et al. (2013). Improving Students' Learning With Effective Learning Techniques. Psychological Science in the Public Interest.
- Bjork, R. A., Dunlosky, J., & Kornell, N. (2013). Self-Regulated Learning: Beliefs, Techniques, and Illusions. Annual Review of Psychology.
まとめ:勉強法を変える前に、勉強の「外側」を整えましょう
USCPAの学習効率は、教材や暗記法だけでなく、迷う・探す・切り替えるといった「勉強以外の時間」の多さにも左右されます。手が止まる場面を1つ見つけて対策を試すことが、今日からできる最初の一歩です。